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2017.08/19 マネジメントにおける知の扱い

メーカーにおける経営者やマネージャーは、KKDも含め経験に土台を置く専門知識を理解し、重視しなければいけないと思っていたが、人事制度も含めそのようになっていない会社を経験し、退職後その考え方の是非について考えてきた。

 

結論は、業界でトップになれるような会社は、形式知だけでなく経験知や暗黙知を大切にしているということだ。

 

単に評価で有能なレベルの人を重用していっても経験知や暗黙知をうまく伝承できるとはかぎらない。逆にそれらを切り捨てることも行われたりする。

 

転職した時の最初の成果は酸化スズゾルを用いた帯電防止層で、この技術は写真会社が昭和35年に出願していた特公昭35-6616を元に再現した技術である。

 

驚くべきことに、この特許の存在を知っている人がいなかっただけでなく、この特許に記載された素材が新素材として市販されており、その素材評価をこの特許に記載された技術を知らないまま行い帯電防止性能が無い、という結論を出していた。

 

当方は、この昭和35年の特許に記載された技術をパーコレーションのシミュレーションプログラムを開発して見直した。そして、十分に帯電防止層としての機能があることや特許に記載されていなかった当時のノウハウを明らかにして実用化に成功した。

 

この昭和35年の特許が忘れられた経緯について少し調べた。また、他の同様の伝承されていない知が無いか調査しようとした。その矢先に転職した部署はリストラされた。技術の伝承がうまくいっていないと心配されている企業はご相談ください。

 

カテゴリー : 一般

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